【5/1】リンゴとバナナを考える

リンゴは硬いです。かつて「リンゴをかじっても歯から血が出なければ歯茎は大丈夫だ」と言われたぐらい硬いです。一方バナナは柔らかく、熟したバナナはとろけるように口の中で崩れていきます。

なぜ、リンゴは硬く、バナナは柔らかいのだろう?

北の植物は成長速度が遅く、毎日、作り出す果肉は小さく、それを丹念につめてリンゴができます。
一方、南の植物は気楽で、太陽の光は強く、ドンドン成長できます。だから、毎日、できる果肉は大きく、それを雑に詰めていくわけです。小さい果肉を丁寧に詰めると硬いリンゴができ、大きい果肉の粒を乱雑に詰めると柔らかいバナナができる・・・と私は考えております。若干の根拠もありますし、例外が多いのでなんとも言えませんが、おおよそそう思っています。しかし、樹木となると南の硬い木、北の柔らかい材がありまして、よくよく調べてみたいと思います。

ところで、リンゴを種なしにできないことはないとおもいますが、かなり大変です。一方、バナナを種なしにするのはとても簡単です。リンゴは実が地上に落ちても凍てつく大地で芽を吹くことができないわけで、これに対してバナナは茎が折れて地上に達しだけでそこから新しい命が芽吹きます。「暖かい」ということが、子孫を残すのも楽にし.だからバナナにも種があるものもあるが、種なしを作るのは簡単なのであります。もともと「種」があれほど頑丈なのは、どんなことがあっても子孫を残すということなのですが、バナナには「どんなこと」というものがないわけです。

「気候」は南と北でずいぶん違います。釧路の夏の平均気温より、石垣島の冬の平均気温が高かったりするのだから、その気候の中で生活をする生物は、体の構造も気質もずいぶん違ってきて当たり前です。生物も人間の「こうあるべき」というのは容易には決まりません。北の方の人から見ると「勤勉」は第一の道徳だが、南の方ではあまり働いてもらっては困ります。「怠惰」が一番です。ほどほどに働き、できるだけサボり、自然を壊さないようにしてその範囲で生きる、それが南の人の道徳だから、「麻薬」も「現代の日本のテレビ」も歓迎ですね。暇を潰してくれるし、だんだん思考力が無くなってそのうちに適当になる。だから、北の人が南の人に自分たちの道徳を押しつけているのを見るとどうも気分は良くなくなります。
北の人は、勤勉、まじめ、理屈っぽい、ずるい、性質が辛い・・・
南の人は、サボり、いい加減、まあまあ、正直、人なつっこい・・

どちらが良いのでしょう?
サバンナのライオンは寝てばかりいる。ライオンが朝から晩まで北の人のように張り切って働き、頭を働かせ、最大限の効率で狩りをすると困るのです。すぐサバンナの草食動物は食べ尽くされ、持続性を保てなくなります。今、持続性を叫んでいるインテリは、もっとも困りものです。自分は勉強し、せっせと働き、夜もメールで仕事をし、電気を使い、資源を使い、そして「持続性」を叫ぶわけです。自分ができないことを他人に押し付けるのは、私の性に合いません。
皆様はリンゴが好きですか? それともバナナが好きですか?

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