【6/2】私たちが学んだ歴史学を考える④-2:一神教の成立

前回は、アーリア人の膨張を整理しました。アーリア人は独特の性質があって、自分たちの土地が気に入らなくなると、他人の土地へ移動するという性質があり、そして、そこに住んでいた先住民を追い出すか、必要あれば殺して支配してしまうという残虐さも持ち合わせています。現在、アーリア人及びそのアーリアンの血を継承されている人は、アメリカ人、イギリス人、ロシア人など、白人すべてと言って問題ありません。侵略して武力で相手を降伏させればさせるほど偉いと認定します。例えば、アレキサンダー大王、シーザー、ナポレオンといった人達です。

そして、本日のテーマですが、紀元前の時代に、メソポタミアを中心としてできた一神教があります。日本には神道がありますから、比較的理解できると思いますが、日本の宗教は、多神教であり、主に自然を敬うものが多かったです。例えば、神様どこにいますか?ときいても、どこにいるかわからない、神社にもご神体というものはなく、お神輿の中にも神様は見えません。山の方から神様が下りてきて、ここに鎮座ましてお座りいただく上座のようなものはありますが、そこに神様が物体としてあるわけではありません。日本の神道は穏やかで「人間は小さなものだから守ってくださいね」といったような平和路線なのですが、メソポタミア地方にアーリア人の宗教として出てきたゾロアスター教はかなり違います。

ゾロアスター教は形が成立して、その後ペルシャの国境になるのですが、特徴としては人間(人間っぽい)が神様として、具体的な形で偶像として現れます。いまとなっては、イエス様やマホメッド、大仏様などで当たり前と感じますが、当時としては初めての現象だったわけです。ゾロアスター教より前の時代の宗教では、動物とか太陽が神様でしたが、ゾロアスター教は、人間の形をして、頭に何か光るものがつくようになります。その後のメジャー宗教への影響ですが、仏教は直接的に血は引いていません。少し影響を受けたと考えます。キリスト教はハッキリと血をひいています。ユダヤ教は普通に影響を受けたという感じで、イスラム教は完全にゾロアスター教の影響下です。つまり、現代の世界三大宗教である、仏教、キリスト教、イスラム教すべてが、ゾロアスター教になんらかの影響を受けたか、または血をかなり引いていると言えます。ただ、イスラム教は最も近代的な宗教なので、神(偶像)は現れません。アッラーの神は形はなく、神が体現したことをアラビア語に通訳するイメージなのですが、ムハンマドさんはあくまでも預言者とされています。

この一神教の特徴が、その後の世界史を決めていったということが大変重要です。その特徴とは「正義が勝つ」ということです。具体的には、正しい神様と悪い神様と二つに分ける構造となっています。地獄極楽、悪い心と正しい心といったような、対立概念を成立させました。正しい神様を「マツダ」といい、GE社の電球や日本の自動車メーカーの名前の由来にもなっています。ユダヤ教では、サタンという概念のもと、ヤハウェという良い神様とサタンという悪い神様があり、仏教でも閻魔様という悪いと言いますか怖い神様を成立させます。悪いことをしていると閻魔様に舌を抜かれるとか、イエスキリストが悪魔に何回か試されて誘惑を断ち切ったなど、人間は邪悪な道に向かうのではなく、正しい道へ向かうという教えが普及します。この程度は良かったのですが、その後の時代において、大きな災害をもたらすきかっけとなってしまいます。

正しいものは強いという概念から、結果的には、支配階級の宗教となったわけです。勝つことを正当化するという、大変危険を帯びた解釈となりまして、これまで散々大虐殺を繰り返して人を殺しまくったことにより傷ついたアーリア人の心の癒しとして大変重宝なわけです。実例は無数にあるのですが、キリスト教を信じる人達が「神様、私を保護してください。私は今から戦いに出ます」と言いながら手を十字に動かしながら祈ったりします。イスラム教も同じです。勝てば正しいという実例はたくさんあるのですが、一例として、東京裁判と称して日本で頑張った方々が戦争犯罪人として裁かれた時も同じで、アメリカが勝ったので、アメリカが正しくなり、選挙で選ばれた裁判長でもなく、開戦時の法律や、裁判にかけられているときの適用される法律もなく、無茶苦茶な手続きで判決が言い渡され、戦争勝者自身の正しさの基準のようなもので判決が決まり、その後の学校の教科書にも、東京裁判においてA級戦犯者、B級戦犯者として子供たちが教えられてしまうわけです。しかし同じ教科書には、ナポレオンやバスコダガマは英雄として描写されているといった、ダブルスタンダートが普通の子供たちの解釈となります。一般の方々は難しいかもしれませんが、ナポレオンは英雄として、お酒のブランドにもなっていますが、東条英機はなぜ、今の日本人自身も犯罪者として、できるだけ遠ざけようとするのか理解できません。Youtubeで公開されている東京裁判は、加工編集が多すぎて、結果的にはアメリカ人(アーリア人)が得する部分を抜き取った動画となっております。

一神教の成立によって戦争が絶えず発生し、勝った方の基準がすべて正しくなってしまうのは、本当に正しいのか。神様から見た悪魔は悪魔に見えるかもしれませんが、悪魔から見た神様も悪魔に見えます。「大草原の小さな家」というアメリカのドラマがありますが、住居に強盗として押し寄せる方を先住民として表現しています。しかも、先住民が悪者のように描いております。しかし、このアットホームなドラマに、子供だけではなく大人も癒され、先住民の気持ちを理解させようとしない、ある意味洗脳ドラマが、今でも、放送されているわけですが、いずれにせよ、一神教の成立により、自己正当しながら戦争を繰り返すアーリア人の性質は、1943年11月の大東亜会議の日本の宣言により、変化をもたらすまで続きます。その日本の宣言とは何か、については、後日ご紹介できると思いますが、このことの世界史への日本の貢献は大変なものがあり、特に日本人は知っておいた方がよろしいかと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

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