【9/25】朝食を考える

「朝食は大切だ」と多くの人が言います。確かに実感としてそうなのだろうけれど、動物としての人間を考えるとどうも解せません。「朝食は大切だ」というのはどうも「お題目」に聞こえる気がするのです。朝食を食べた小学校の児童は成績が上がったと報道されましたけれど、朝食を食べるというグループは、規則的な生活をしているし、家庭も子どもに注意を払っています。睡眠時間も朝食を食べない児童は短い傾向になっていまして、だから、朝食を食べる小学生と、食べない小学生を比較して、朝食を食べるグループの方が成績が良かったから、「朝食を食べると成績があがる」という結論は、科学的にはいただけません。朝、お父さんと顔を合わせるから気が引き締まるのかもしれないとも思います。判断を正しくするためには一つ一つのことを正確に理解しなければならないのに、マスコミやいやに拙速だと心配になります。学問は類推してはいけません。シッカリしたデータを積み上げないとなりません。

もともと、動物はあまり朝食というのを食べません。起きたらしばらくはボヤーッとしているか、遊んでいるかです。体重調整が大切で食事を管理する競走馬でも、朝早く起きて調教してから朝食を与えています。午後の飼い葉も同じです。食べてから活動ではなく、活動してから食べて休む。それが動物のリズムのはずです。ライオンは一日中、寝ているのでハッキリしませんが、やはり「運動してお腹が減ったら狩りをする」というのがリズムです。人間でも「朝食抜き健康法」を実践している高名なお医者さんもいれば、ある一つのことを考えるときには結論を急がず、いろいろな面から検討して、自分が言っていることに矛盾がないか、よくよくチェックするのが正しいやり方であのです。そう考えて、人間だけが「寝て、起きたときに栄養を取らなければならない」というのにはそれなりに理由が必要だろうと思いまして、何年も前から栄養学の本を読んだり、栄養学の人に聞いたりしましたが、結局、「栄養的には朝食は不要。リズムを取るため」という結論になっていました。確かに、ヨーロッパのコンチネンタル・ブレックファストというのは、パンとコーヒーだけで栄養というより「目覚め」のための食事という感じです。「朝食は頭脳労働する人間に必要だ。脳はブドウ糖(グルコース)しか熱源にならないから」と言う人がいます。脳が一日に消費するブドウ糖は約150グラムで、ブドウ糖は食事をとったあとに血中にでるので、朝食を食べないと脳が動かないといいます。でも、人間の体はそれほどやわではありません。肝臓は1.5キログラムもあって、血中のブドウ糖をグリコーゲンに替えてため込み、必要な時に逆反応をしてまた血中に出します。筋肉も必要に応じて分解してブドウ糖を出します。だから「ブドウ糖を供給するために朝食がいる」というのも、すぐには納得できないのです。でも、おそらくは多くの人が言うのだから、朝食が大切なのだと思いますが、本当に「太りすぎ」の人が多く、健康の問題があるなら、今、私たちが考えている「ダイエット」というのに、なにか大きな間違いがあるのではないでしょうか?

この問題は、納得するのにしばらくかかりそうです。

お申し込みはこちら

お問合わせ・お申込み

お問い合わせ