【2/4】シミュレーションを考える

コンピューターによるシミュレーションの典型的手法において論理矛盾があり考えたくなりました。

コンピューター・シミュレーションの目的には、通常の科学的研究の目的と同様に,自然界における新しい発見を目指す場合の他、実験では実施が困難な条件における自然界の現象の解明や、実験では著しく非能率な研究をより効率的に実施する手段として用いられる場合があります。 また,現代のように自然界に無い多くの人工物が存在するときには,人工物の解析そのものにも使用される.例えば材料関係では自然界にはほとんど存在しない還元状態の金属材料や,特殊な触媒で合成される立体規則性高分子などである.これらの人工物の場合にその合成,解析などをコンピューター・シミュレーションで行った場合,近代自然科学のように自然を明らかにするという表現では適切でない場合もある。

しかし対象物が自然界に存在する場合でも、また自然界に存在しない人工物の場合でも、現在の我々の宇宙を形成している物理的原理に従っている事は確かであり、広義には自然界に現象を明らかにしていると言えます。自然界の摂理はすでに太古の昔から変化が無いわけでありますから、科学的手法を用いて明らかにするということは現在の時点において人間がまだ解明していないことを明らかにする作業と言えます。

仮にコンピューター・シミュレーションを行うに当たって、①我々が用いる方程式などの数学的手段に誤りが無く、②境界条件などの考慮すべき補助的数式や条件設定が対象物を正しく反映し、かつ③離散化方法など数値計算手法も正しく行われたとすると、それで得られた結果は我々がコンピューター・シミュレーションを実施する以前の対象物に対する認識と一致することであるでしょう。上記コンピューター・シミュレーション3条件が満たされることがコンピューター・シミュレーションの最善の経過であるとするならば、コンピューター・シミュレーションで新規な自然科学的発見をなす可能性は極めて少ないといえます。

実験は常にこれまで考えてきたことが間違っていることを期待して行われるものであります。期待通りの結果を得ることが確実であるならば、それは一般的な概念からは研究とは言えず、単なる確認作業に他ならなりません。もちろん,この様な確認作業も企業活動や実務においては有益であるとしても、それをもってコンピューター・シミュレーションが実験を越えられるとは言えません。

コンピューター・シミュレーションの付随的な有用性について様々な擁護をすることは可能でありますが、コンピューター・シミュレーションを厳しく見れば上記のような矛盾を内包していると言えるでしょう。

新型コロナウィルスで、日本人が何もアクションしなければ42万人死亡説を唱えた8割おじさんは、このコンピュータ・シミュレーションの矛盾を理解されているのだろうか。当時、彼は北海道大学の先生でしたが、現在は京都大学の先生だとか。頭がいい方は、知恵の輪のようなことを言えば、大衆は騙せるという典型的な事象でしたが、我々日本人の大和魂はどこへ行ってしまったのでしょうか。自然と祖先に学ぶ我々にしかない宗教観を今こそ思い起こし、「自然は自然を超えることができない。われわれ人間は、その自然の1%も理解できていない」という謙虚な気持ちが、とても大切だと考えるのであります。

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