【4/29】変異株を考える

私が、医者でもないのにウィルスについて語ると批判される方がいます。私は、批判されることについて慣れていますので、常に冷静になれるのですが、批判される方が、あまりにも感情的なので少しだけ困ります。しかし、ウィルスは医学というよりは生物学の範囲ですので、私のような基礎物理や歴史を専門にしている者の方が近いように思います。ちなみに歴史も科学の範囲です。正しくは人文科学です。

ところで、変異株が騒がれていますが、元々のウィルスに対する私たちの理解は、「ウィルスは常に塩基を入れ替えながら変異し人に悪影響を及ぼさないように努力している」ということを理解しなければなりません。過去のブログにも整理しましたが、ウィルスは生物と物質の間にあるものなので、自分だけでは生きていけません。どうしても生物に宿り、宿主と共存しようと努力をします。昨年の秋ごろには、今回の新型コロナ(新型の定義も曖昧ですが)ウィルスの変異株は8000種ほどとされており、現在は20000種と言われています。これは、「人に馴染んできたぞ」と言えるでしょう。

そもそもオリジナルの新型コロナウィルスは3種類くらいあったといわれていますが、なにをオリジナルにするかは、現在においても特定されておらず、実際は分かっていません。繰り返しになりますが、新型コロナウィルスも従来のコロナウィルスの変異株の可能性もあり、学問的にはハッキリしていません。

人に馴染もうと努力を繰り返してウィルスは変異し、より馴染もうと頑張ります。その頑張りを、宿主である人がワクチンを打ったり、消毒をしたり、マスクをしたり、つまりウィルスの頑張りに抵抗すると、ウィルスは宿主に対して強毒化します。我々社会の人間関係をも同じですね。お隣さんが引っ越してきて、この街に馴染むために努力をしますが、もともと住んでいる者達がイジメをすれば、それに対する抵抗が強くなります。ウィルスの原則を理解し、可能な限り”自然の掟”に従って行動をとるべきと考えますが、政治家とマスコミと、勉強をしない一般的人が仮想社会を築いてしまいました。

ウィルスは人に宿り、人を攻撃せず、人から栄養分をお裾分けしてもらい、共存したいと願っているということを受け止めた上で、超超稀に発生してしまうインシデントとしての発病者に関しては、医学の専門家に頑張ってもらい、どうやって重病化を防ぐかということを考えればよいのであって、まずは生物学を論点の中心にして議論し、ウィルスと人との共存のあるべき姿を考えてもらいたいと願います。

お申し込みはこちら

お問合わせ・お申込み

お問い合わせ