【10/8】鉄とシリコンを考える

「鉄は国家なり」と言われた時代がありました。鉄があると全て支配できる時代でしたが、現在はどうなんでしょう。世界で鉄は毎年約19億トン製鉄されていますが、その50%が中国、EUが8.5%、北米中南米が6.4%で日本は3.8%となっております。日本は10%程あったのですが、エコだとか温暖化だとかに悪ノリしてしまい、たった3.8%となってしまいました。世界の半分は中国で製鉄されていますが、もし現在がビスマルク時代だったら、中国が全世界を支配してしまう状態です。しかし、中国は世界を支配できていません。時代が変わったのです。

鉄の消費には限界があります。おおよそ、一人当たり年間500Kgです。これ以上は消費できないので、粗鋼生産量は限りなく伸びるのではなく、消費がピタッと止まります。現在は、鉄の消費がピタッと止まって安定している時代です。さらに鉄は主要資源では無くなっています。現在は、シリコン単結晶の時代です。つまり物から情報へ変化したわけです。シリコン単結晶製造技術ができ、そこに情報が乗っけられることがわかり、それが産業に持ち込まれ、現在では皆んながスマホを持ち、いつでもどこでも仕事ができるようになりました。つまり「シリコンは国家なり」という時代です。

かつて、中国毛沢東の時代、大躍進制作として、農民に製鉄をさせる人民製鉄をやりました。なんでも自分たちで作るという思想で、農民に小さな溶鉱炉を持たせやらせました。しかし成立するはずがなく、大失敗して甚大な損失につながりました。こういった国家戦略に対して、国民一人一人が参加するような活動は、必ず失敗します。工業的にやらなければなりません。しかし、国民は、一人一人がそれに参加することによって成果を簡単に実感してしまいますので案外盛り上がってしまう奇妙な癖があります。しかし生産量は微々たるものなので、大きな産業の流れから猛烈に遅れますから、損害が甚大になってしまうのです。日本の高度成長時代を支えた製鉄技術は、当時オーストリアの技術を採用したことで大成功しました。対してアメリカは、あまりにも大きすぎる溶鉱炉ばかりでしたので、日本のような成長はできませんでした。産業技術の採択は、あまりにも劇的なのです。

今の日本も、全員参加型の危険な活動が山ほどありますが、どれもうまく成果に繋がっておりません。むしろ、天下り先が増え、所得が増えないのに税金は上がり続けている状況です。その際たる例としては分別リサイクルです。そろそろ止めるべきではないでしょうか。

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